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ライブ参加後記② : fhána Cipher Live Tour 2022 東京公演 + α | 真

 今回は2022年5月8日のfhána Cipher Live Tour 2022東京公演を振り返る。今月末のライブに向けてfhánaへの感情を高めていきたい。

まえがき

 このライブは同年4月27日に発売されたfhána4thアルバムCipherを冠したツアーである。そのほとんどが2019-2021年に繰り返し聴いた曲で構成されており、通して聴くとあまりにも多くのことが思い出される。このアルバムは私にとってもテーマ通りの"時代のドキュメント"になっていた。

プライベートな話をすると、2020年は公私に思い通りに動けない状況が重なり、振り返れば辛いことがいくつも思い浮かぶ年だった。

そんな中でリリースされたPathosとEthos、そして両曲を冠したオンラインライブには本当に大きな力をもらった。

特に2020年の年の瀬に実施されたオンラインライブEthos、その最後の曲でtowanaさんが涙したこと。この時の曲が歌詞のすべてを好きな gift song だったのもあり、人の涙にここまで力をもらえるのか、こうも勇気づけられるのかと、深く感じた体験だった。

私のPathosとEthosへの思い入れの強さは、恐らくこうした体験から来ている。

そんな私情もあり、ライブ当日時点でアルバムを通しで聴いたのは1,2回だったと記憶している。楽しみでありながら、どこか怖さもあるような、そんな不思議な心持ちで参加するライブになった。

fhána Cipher Live Tour 2022

 最初の曲は"Cipher."

オープニングナンバーとして予想できてもなお圧倒されるイントロの重厚感。私は半ば腰抜けになってイスにもたれていたし、着席して静かに演奏を見つめる会場の雰囲気も相まって、「今日はこのまま立ち上がらず過ごすかも...」と思ったほどだ。(次の"Hello!My World!!"でその懸念は払拭されるのだが)

 本編最後の曲、"Zero"を歌いきった直後の会場の空気感も印象深い。この曲は最後の音がブレスになっている。ブレスのあと数秒、この日の会場は静寂に包まれていた。1人でも音を立てれば生まれない、観客全員が息をのんで見守るようなあの空気感は、そう易々と出会えるものではないだろう。それをツアー初日、"Zero"が初披露された日に体感できた幸運に感謝している。

 アンコール最初の曲は"Outside of Melancholy~憂鬱の向こう側~"だった。本編をCipher - Zeroの"0"のループで閉じたあとに聴く、歌い出しの"幾千回ものループを繰り返し今ここにたどり着いたこの僕 出会ったんだ ここにだけの君"という歌詞がどれほど沁みたことか。

"青空のラプソディ"、"World Atlas"と続き、挨拶のあとに「もう一曲」と言って始まった"星屑のインターリュード"。アルバムの世界を作り上げたあとのアンセム4連。星屑のインターリュードはfhánaと出会うきっかけになってくれた曲。時勢が許せばありがとう!!!!と絶叫していること間違いなし。

 ライブ前は楽しみもあれば怖さもある、そんな状態だった私は、終わってみれば明るく前向きな気持ちで会場を去ることができた。

次は新潟公演を振り返るつもり。