2022年楽曲10選 | 真
楽曲10選あるある。年末にものすごい曲が来てひっくり返されがち。
年末年始休暇を迎えた私は、ぼっち・ざ・ろっく!と明日ちゃんのセーラー服を読み、ポケモンで遊ぶ欲求にかられながらこの文章を書いています。...しかしこうして文字にすると厳しいものがありますね。娯楽は消費しても消費されないほうがいい。
ここからは早速私の2022年10選紹介に入ります。なお、プレイリストはSportifyのみになりますが、各種ストリーミング・ダウンロードのリンクをそれぞれの曲に貼っています。Sportify以外のサービスを使っている方もぜひ聞いてもらえたら嬉しいです。
- 01. 菫 - 坂本真綾
- 02. はじまりのセツナ - 蝋梅学園中等部1年3組
- 03. 花の塔 - さユり
- 04. 生きろ - Mr.Children
- 05. ヒトツボシ - KOH+
- 06. Zero - fhána
- 07. アスファルトを鳴らして - ノクチル
- 08. Celestial - Ed Sheeran
- 09. 春に願いを - 三月のパンタシア
- 10. 星座になれたら - 結束バンド
- あとがき
※8曲目と10曲目ではそれぞれ「ポケットモンスターバイオレット」「ぼっち・ざ・ろっく!」の物語の結末に関わる話をしています。念のためネタバレには注意です。
01. 菫 - 坂本真綾
[作詞:坂本真綾 / 作曲:岸田繁 / 編曲:岸田繁、扇谷研人]
「菫 / 言葉にできない」のストリーミング/ダウンロード: https://jvcmusic.lnk.to/Sumire_Kotoba
アニメ「であいもん」のOPテーマ。ゆったりとしたピアノのイントロから始まるこの曲は、リラックスしたいときや誰かについて考えたいときによく聴いています。
ピアノのリフと穏やかなドラムスのみで構成されるイントロ~1番Aメロ。Bメロの入りで加わるギター、間奏の転調、ストリングス......。音が増えていってもそれぞれが主張しすぎることなく、ひとまとまりになって包み込んでくれる印象があります。リリース直後には、よく就寝前にも流していました。たいてい気づかぬうちにそのまま寝ています(笑)
1番が終わったあとの間奏にはそれまで見られなかったような旋律の広がりがあります。広がってその後どうなるの!?と思ったら、それまでのメロディに戻っていく(笑)歌詞が描く日常と日常の狭間にこうした非日常の空間があることで、いっそう日常がひきたっているように思います。
そんな非日常を思わせる間奏のあと、Cメロから最後のサビの歌詞が私の一番のお気に入りです。
出会わなければ
失う心配もしなくてよかった
出会わずにいたら
与えるだけの愛
そんな喜びがあること
知らずに生きて
僕たちは繋ぐ生き物だから
誰かの夢の続きを
諦めきれず紡いでいく
何でもないような顔して
ここについては、少し真綾さんの楽曲コメントを引き合いにして書きます。
《坂本真綾コメント》※一部抜粋
スミレは日常の中でよく見かける花で、コンクリートの隙間などにも見ることができます。見過ごしてしまいそうな小さな存在ですが、実はとても力強く、身を寄せ合うように集まって咲いている。そんな花の姿と人間の営みを重ねて、このタイトルをつけました。
表現者の日常風景の切り取り方だ……。
ここから想像を膨らませると、失い、別れた誰かの夢の続きを"何でもないような顔して諦めきれず紡いでいく"力強さは、たしかにコンクリートの隙間で立派に咲くスミレの力強さと重なる部分があるように思います。1番Bメロの
普通の人生なんてどこにもない
そんな風に見えるだけ
という歌詞も、なんでもない顔で生きていても実際そんなことはなく、皆そう見えるだけだと言っているようにみえます。
余談ですが、この曲はSportifyのMy Top song,つまり今年私が今年最も聴いた曲でした。先日初めて参加した真綾さんのライブの1曲目がこの菫。好きな人の初めて行くライブ1曲目が今年一番聞いた曲だったらさすがに情緒がおかしくもなります。25周年のライブに行けなかったのをかなり悔いていましたが、それなくしてこの体験はなかったと思うと、これもめぐり合わせなのかもしれません。
02. はじまりのセツナ - 蝋梅学園中等部1年3組
[作詞・作曲・編曲:杉山勝彦]
「はじまりのセツナ」のストリーミング/ダウンロード:https://anxmusic.lnk.to/MiB0GI
アニメ「明日ちゃんのセーラー服」のOPテーマ。クラスメイトもいない規模の小学校に通っていた明日小路(あけび こみち)さんが、中学入学を機に憧れのセーラー服と一緒に大切な友達を作っていくお話です。
この曲を歌っているのは明日ちゃんとクラスメイトたち。明るく朗らかな歌声と思わず体を動かしたくなる音が相まって、楽しく快活な印象を受け、テンションが上がります。(サビで低音でハモってるのどなたですか???縁の下の力持ちすぎる)
この曲の一番の見どころは2:15以降の展開。
大人になりたい 背伸びするたび揺れる 今がほら 素敵すぎるからだよ
どうしてなの 嬉しい気持ちなのに 涙が出ちゃうな
と歌った後に踊るようなピアノの間奏とドラムスは、思わず手を叩いて踊りたくなります。「高台からの風景が…」でで一旦音数を落ち着かせつつ、先ほどの歌詞を繰り返す。ラスサビに向けて一気に"強"を持ってくるからか、繰り返されるサビの歌詞が相当強く印象に残ります。曲もアニメも漫画も共通して幸せに満ちているの本当にすごいと思うんですよね。
余談になりますが、この文を書く前日に読んだ5巻には明日ちゃん一家の幸せが正面から描かれていて、裏表紙のコメント通り、"家族"という"幸せ"に完全にノックアウトされました。5巻は夏休みの家族タイムなので、明日ちゃんや学校のことを知らなくても読めます!!この曲やアニメで少しでも気になったらぜひ読んでくださいね!!
明日ちゃんの声優さんである村上まなつさん、初主演!?!?!?スゴすぎる。感謝しております・・・。
03. 花の塔 - さユり
「花の塔」のストリーミング/ダウンロード:https://VA.lnk.to/20cll1
イントロの疾走感!!!!アニメ「リコリス・リコイル」のEDテーマです。アップテンポ寄りの曲ですが、歌詞は思い切り明るく楽しく!!というものではなく、寂しさや切なさも感じさせるフレーズが目立ちます。
窓に飾った絵画をなぞってひとりで宇宙を旅して それだけでいいはずだったのに
君の手を握ってしまったら
孤独を知らないこの街には もう二度と帰ってくることはできないのでしょう
1番で描かれるこの歌詞をはじめ、曲中では孤独を「知らない」と否定表現で使いながらも、その前のずっとひとりでいた日々の描写によって、実際には"孤独を知らないほどにひとりだった"という構図が成り立っています。
手を握りたいと思った"君"との出会いで孤独を知って起こった、それまで不自由なかった自分の世界に帰ってこられなくなるほどの世界の変化。作品の世界観に寄せつつも、そこに見いだされる感情(出会いで世界が変わる衝撃と高揚、未来への期待など)は決してピーキーではないんですよね。出会いによって生まれる影も描きつつ、それでも最後にはそれすら受け入れて駆け出していく明るさがあります。
いくらでも迷いながら 光も影も見に行こう
1曲目に紹介した菫のCメロもですが、出会いで生まれる失う心配や影の部分も描いてくれると曲の詞を現実のものとして捉えられる気がします。
04. 生きろ - Mr.Children
[作詞・ 作曲:桜井和寿/ 編曲:Mr.Children]
「生きろ」が収録された「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW(STUDIO盤)」のストリーミング/ダウンロード:https://tf.lnk.to/mc2015_2021now
開幕からシンプルにストレートに「生きろ」と叫ぶ。あまりにまっすぐなメッセージ。
ここから またひとつ強くなる
失くしたものの分まで
思いきり笑えるその日が来るまで
生きろ
この曲を応援ソングだとは思っていませんが、そうした曲を押しつけがましく感じやすい人間の私でもまっすぐに受け入れられた曲です。人称を示す単語はたった一度「自分」しかなく、全体的に歌っている自らを奮起する様子があり、それがかえって勇気を与えてくれているのかもしれません。
書いている途中に映画のHPに桜井さんのコメントがあると知りました。個人的にはある程度聴いてから読むのがおすすめなので、リンクは貼らないでおきます。
映像を含めミスチルのライブは1回も見たことがないんですが、この曲を聴いたら少し興味が湧いてきました。最終盤でこの曲を歌われたら立っていられる自信がありません。
05. ヒトツボシ - KOH+
「Zero」が収録された『ヒトツボシ ~ガリレオ Collection 2007-2022~』のストリーミング/ダウンロード:https://lnk.to/Hitotsuboshi
イントロのギターが痛切すぎる。
重厚感のあるこの曲は、映画「沈黙のパレード」の主題歌。歌詞を噛みしめるとどうしようもなく苦しい唸り声が漏れそうになります。
この曲が流れた瞬間温度が一気に変わる予告映像には思わず頭を抱えます。
あまり話しても陳腐になるのでこのくらいに留めますが、最後にこれだけ。
映画の素晴らしさももちろんですが、原作小説を読んだのは酒向芳さん演じる人物のある場面での表情があったからこそです。小説では映画では描かれなかったその人の内面に触れることができたのもり、久しぶりに一日も経たずに読み終えてしまいました。
酒向芳さん、ありがとうございます。
06. Zero - fhána
[作詞:林英樹 / 作曲・編曲:佐藤純一]
「Zero」が収録された「Cipher」のストリーミング/ダウンロード:https://linkco.re/hyDVMP1b
最愛のバンドの最新アルバムの最後を飾る楽曲です。
アルバム"Cipher"は2019年から2022年の時代のドキュメントと銘打たれた通り、時勢の影響を強く感じるアルバムになっています。私が本格的にfhánaを追い始めたのが2019年ということもあり、曲がリリースされたころの心情がフラッシュバックしてきます。
2番Aメロでは、fhánaのこれまでの歩みを想起させる歌詞が印象的です。
滲んだ憂鬱の先の世界まだ見えないよ 煙に包まれて
だけどあの日捧げたそんな祈りは
いつかまた地図を描き出すよ
憂鬱の先→Outside of Melancholy(1stアルバム)、
あの日捧げたそんな祈り→What a Wonderful World Line(2ndアルバム)
地図→World Atras(3rdアルバム)
2016年にリリースされた2ndアルバムWhat a Wonderful World Lineには、ベトナム戦争のころ生まれたWhat a Wonderful World - Louis Armstrongに影響を受け、理想とは遠い世界だからこそ肯定し、ポジティブなメッセージを届けようという思いがこめられています。アルバム表題曲であるWhat a Wonderful World Lineには、祈りについて次のような歌詞があります。
奇跡はきっと絶えず祈りを待つ
僕らを試す言葉や悲しみに向かう
何度でもずっと君が手を添えるまで
ポジティブなメッセージ=祈りを発信し続ければ、それがいつかまた新しい希望に繋がると信じているように思います。世界が理想と大きく違った形になっても、信じるものを信じて旅を続けようと歌う力強さに勇気をもらっています。自分は少なくともあと2回この曲をライブで聴けそうなので、また力をもらって来ようと思います。
07. アスファルトを鳴らして - ノクチル
[作詞:秋浦智裕 / 作曲・編曲:鈴谷皆人]
「アスファルトを鳴らして」が収録された「THE IDOLM@STER SHINY COLORS PANOR@MA WING 07」のストリーミング/ダウンロード:https://lnk.to/LACM-24257s
幼なじみ4人で結成された、透明感あふれるアイドルユニット「ノクチル」3枚目のミニアルバムに収録された楽曲です。ギターとドラムスメインのバンドサウンドと共に広がっていく"未来"と"変化"への思いを乗せた歌詞が印象的です。
どれだけ願ったって 明日が迎えに来るから
だからもう前を向いて 青い光が指す方へ
渡ってみよう 迷わないで 自分の足で明日へ
変化を恐れつつも留まらない選択をする人の詞が好きなんですよね。
シャイニーカラーズの話をすると、この曲は"天塵"を読んで何かを受け取った人に一度は聴いてほしい曲でもあります。もしこの曲が琴線に触れたら、ぜひ"天檻"も読んでください。いつだって僕らは・天塵→アスファルトを鳴らして・天檻でだいたいノクチルのことを知った気になれます。「アスファルトを鳴らして」は、これまでの曲では最も等身大に近い彼女たちを描いていると思っているので……。(B面曲に寄せる多大な信頼)
天檻の予告を貼っておきます。
5月31日より、ノクチルの皆さんの物語を描いたシナリオイベント「天檻」が始まりますよ~。
— アイドルマスター シャイニーカラーズ公式 (@imassc_official) May 30, 2022
イベントの予告動画をご覧ください♪#シャニマス #idolmaster pic.twitter.com/Gu5rxuTC9o
08. Celestial - Ed Sheeran
[作詞・作曲・編曲:Ed Sheeran, Johnny McDaid, Steve Mac (2)]
「Celestial」のストリーミング/ダウンロード:https://edsheeran.lnk.to/celestial
ポケットモンスター スカーレット/バイオレット(以下ポケモンSV)のEDテーマ。
You make me feel
Like my troubled heart is a million miles away
何てったってこの歌詞が素晴らしすぎです。
ポケモンSVの旅で特に親しくなる3人(ネモ、ペパー、ボタン)との会話には面白おかしいやり取りがかなり多く、ときに辛辣なこともさらっと言ってのけます。
そうした気の置けない友人との時間の特別さが、"辛いことをどこかへ吹き飛ばしてしまうような力"として描かれているのが素晴らしい。
さらにもうひとつ。ポケモンSVのテーマの1つが、「『宝探し』で紡がれる、あなただけの物語」です。
We were made to be
Nothing more than this
Finding magic in all the smallest things
自分だけの宝物を探す旅のクライマックスでこの歌詞を聞かされては天を仰がずにはいられません……。日常のなかに潜む宝物の話が本当に好きで、その素晴らしさを"Celestial"という単語で表現しているのも絶妙すぎる。
09. 春に願いを - 三月のパンタシア
[作詞:みあ / 作曲・編曲:水野あつ]
「春に願いを」が収録された「邂逅少女」のストリーミング/ダウンロード:https://3pasi.lnk.to/KaikouShoujo
三月のパンタシアのアルバム"邂逅少女"の最後の曲です。
運命は偶然で 偶然は奇跡で
それはきっと些細な景色にあって
小さく強く灯る頑丈な愛おしさを
ひとつひとつ織り交ぜて
君に紡ごう
日常のなかに潜む宝物の話が本当に好きで……(2曲連続)
日常の些細な景色のなかにある奇跡を見逃さず言葉に表せる人に全幅の信頼を寄せています。
このインタビューの後半、"出逢いって偶然が重なり合って引き起こしてるもの"の項はオススメです。
こういう思いを持って作品やライブに臨んでいて、それを歌詞やMCで伝えてくれる姿を見ると嬉しくなります。
10. 星座になれたら - 結束バンド
[作詞:樋口愛 / 作曲:内藤英雅 / 編曲:三井律郎]
「星座になれたら」のストリーミング/ダウンロード:https://anxmusic.lnk.to/1l57PE
カッカッカッ タタシャーン デッデレレレデッテッテ
イントロで好きを確信!!!!
実はここまでの9曲は12月初頭の段階でほぼ固まっていて、あと1曲はかなり迷っていました。そんな折、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の最終話にして現れた2022年のラストピース。
君と集まって星座になれたら
彗星みたい 流れる独り言
消えていく残像は真夜中のプリズム
君と集まって星座になれたら
切なる願い誰かに届いたら
変われるかな
夜の淵をなぞるような こんな僕でも
後藤ひとり!!!!!!!!
さすがにSTARRYのこと考えずにはいられないよ~
ここからの数行は第8話を見返しながら書いています……。
8話のライブで自信を無くした虹夏ちゃんの顔にぼっちちゃんの演奏で光が差すの、完全に日影にいるぼっちちゃんをバンドメンバーに連れ出す1話の対表現なんですよね……。虹夏ちゃんがぼっちちゃんの太陽だったように、虹夏ちゃんにとってもぼっちちゃんは太陽だったってわけ……。本当の夢を話す虹夏ちゃんも5話の「まだぼっちちゃんには秘密だよっ!」と重なって完全に終了……。
8話を見たら「星に手向けるあいの花」を読みましょう
◤TVアニメ大好評放送中◢||#ぼっち・ざ・ろっく🎸
— COMIC FUZ(コミックファズ) (@COMICFUZ) 2022年11月26日
きららMAX1月号に掲載された、伊地知虹夏と姉・星歌の過去を描く特別編
「星に手向けるあいの花」をCOMICFUZで大公開✨
この機会にぜひご覧くださいhttps://t.co/PWFHcj15Lz#COMICFUZ#ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/4w0FofumZ8
一人ひとりは満月のように暗闇を照らすほどの輝きを放てなくても、集まって星座になって誰かに願いを届けたいってことなのかな。虹夏ちゃんの考える星座のなかにはお姉ちゃんやスタッフさんも入っているんだろうなあ……。
あとがき
私の2022年の目標は、「行きたいところに行き、会いたい人に会う」でした。10選では10の異なるアーティストを挙げましたが、その半数は今年ライブで訪れた人たちだった点を見ても、目標の達成と関わりの強い選曲になったのかもしれません。2023年は今年より旅行は控える(ライブを除く)見込みですが、その分じっくり身近な場所や人と色々なことを楽しもうと思います。
ではまた!